きものができるまで

着物づくりを支えたアレを帯留に/GRYPHON20周年展に伺いました

こんにちは。上杉惠理子です。

数日前に新しい帯留をゲットしました♪

じゃじゃん♪

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すっきり透明感があって、夏の着物にぴったり♪ 横長の帯留って結構珍しいから嬉しい♪

こちら、着物に関係する「あるもの」をアクリル版に挟んで帯留にしています。

何でしょう!?

これだけでわかった方、天才!!

実はこの帯留、着物や帯を織るジャカード機に使う

紋紙(もんがみ)

で作られているのです^^

2021年年末に解体直前の織物工場で見た紋紙

使われなくなった白地の紋紙を譲り受けて制作されたのが、こちらの紋紙アクセサリーシリーズです。

紋紙のデザインがわかるように、大振りのアクセサリーが多いですが、アクリルなのでどれも軽い♪♪ ピアスやネックレスもありました♪

この紋紙アクセサリーを制作されたのは、ジュエリーデザイナー 四六三(しろさん)です。

2023年7月7日から7月19日まで、東京都渋谷区の幡ヶ谷駅近くのBARアウルセカンドフロアさんで、しろさんのブランドGRYPHON20周年個展が開催中なのです^^ 

【ブランドinstagram】
 gryphon_jewelry
https://www.instagram.com/gryphon_jewelry/?hl=ja

しろさんのメインブランド GRYPHONはメンズ向けの大きなデザインのシルバージュエリー。

さらに、女性向けに繊細なお花をシルバージュエリーにしたgraviというブランドラインもお持ちで、紋紙アクセはgraviシリーズのひとつ。

私がしろさんとご縁をいただいたのは、今月はじめにふらりとアウルさんに飲みに行ったときのこと。しろさんが個展の準備にいらしていました。

その時にも私が浴衣を着て行ったので、「紋紙ってわかります?」と紋紙アクセサリーのお話をしてくださいました。

シルバージュエリーを作ってきた しろさんが、なぜ紋紙アクセサリーを作ることになったの?と疑問に思いません???

私も思いまして、聞いてみたらびっくり!!

私の地元 八王子で染め工場を経営されている奥田博伸さんと しろさんがお友達だから!

この紋紙は奥田さんから譲り受けたものなんですって!!

奥田さんは染めだけでなく、八王子の染織文化の継承に尽力されている方で、私も何度かお会いしています。

世の中、狭すぎる!!!笑

教養としての着物』第5章の西陣織の項目で、西陣が明治に入ってフランスからジャカード式織機を取り入れて大きく発展したという話を書きました。

ジャカード式織機は紋紙を使って、縦糸の上げ下げを動力でできるようにして、柄を織り出すもの。この紋紙はパンチカードとも呼ばれ、コンピューターの原型になったそうです。

それまで完全に手織りだったところ、明治以降、ジャカード機を入れたことで西陣の生産量は飛躍的に伸びます。西陣だけでなく、博多織や桐生織など日本各地の織物産地でジャカードが導入されました。

戦後、1950年代は戦後復興と朝鮮戦争特需で日本が好景気になり「ガチャマン期」と言われました。「織機をガチャンと織れば万の金が儲かる」から「ガチャマン期」、それくらい織物産業が日本で盛り上がった時代があったのです。

ですが、日本の織物産業はその後衰退の一途をたどり、 織機のデジタル化が進みジャカードが使われることはほとんどなくなり… 今に至ります。

私の地元 東京都八王子市も、もともと江戸時代から多摩地域の絹糸の集積地であり、戦後はジャカード機を使った織物工場が立ち並ぶ織物の街でした。

ですが今、染織の工房は奥田さんの染め工場などわずかに残るのみです。

2021年年末、八王子の織物工場のほぼ最後のひとつが完全に解体されることになり、奥田さんたちが中心になって見学会を開いてくださいました。

八王子が織物の街として一番熱かった時代に稼働していた工場。

のこぎり屋根がシンボルの、社長さん家族も女工さんたちもみんなひとつ屋根の下で暮らし働いていた工場。

機械化したとはいえ完全自動化ではなく、人の手仕事が感じられる工場でした。

着物のことをやっていると、手機のほうが目に見ることが多く、機械化した力織機を見る方がもう稀。力織機といっても随所に人の手しかできない手仕事があることも、このときにいろいろ教えていただきました。

見学会に行ったときの動画を掘り起こしまして、繋げてyoutubeにアップしました。よかったらぜひご覧ください^^ 

そのまま捨てられたらもったいないと奥田さんが引き受けた紋紙が、しろさんに渡りアクセサリーになって、私が帯留として身につける。

何という不思議なご縁でしょうか。

これも文化を残す、ひとつの道なのかなと思いました。

というわけでお時間合えばぜひ♪

しろさんの個展を、素敵に生まれ変わった紋紙アクセサリーを、ぜひ見に行かれてみてください♪

【GRYPHON20周年展】

会期:2023年7月7日(金)-7月19日(水)
⁡会場:Owl2ndfloor(アウルセカンドフロア)
 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目47−11 田口ビル 2F
 京王新線幡ヶ谷駅徒歩5分
営業時間:17:00-26:00(L.O25:00)
作家在店時間: 全ての日の17-22時
*7/13(木)は定休日
*入場料は無料ですが、BARなのでお一人1オーダー以上のご注文をお願いします。また、お子様のご来店はNGとのこと。
*ジュエリーすべて店内購入割引あり(現金・クレジットカード使用可)

和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜主宰
上杉惠理子


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