こんにちは。上杉惠理子です。
昨日2025年5月25日は、約3年ぶりに振袖を着ました。


2022年の『教養としての着物』出版記念パーティで着た、60年前の叔母の振袖に、パレスチナ刺繍の名古屋帯を締めました。
「Threads of Palaestine 〜糸を紡ぎ、命をつなぐパレスチナ支援イベント〜」というチャリティイベントが、昨日リビア大使館で行われまして
パレスチナ民族衣装とパレスチナ刺繍帯のファッションショーに、自装モデルのひとりとして参加させていただきました。

連日辛いニュースが届くパレスチナですが、もともとは聖書で「乳と蜜の流れる土地」(肥沃な大地)とたたえられる農村でした。
青森のこぎん刺しなど野良着を補強する刺繍が日本にあるように、パレスチナにも農業の仕事に使う服を補強するために刺繍をする文化があり、今も女性たちの仕事として受け継がれています。
このパレスチナ刺繍を、着物の帯にしよう!と思いついたのが、パレスチナ刺繍帯プロジェクトの山本真希さんです。

パレスチナの伝統刺繍の技術やデザインを受け継ぐこと
難民キャンプで暮らす女性たちの経済的自立を支援すること
そしてパレスチナと日本の架け橋となること
そうした想いを持ってもう10年以上活動されています。
私は「そんな素晴らしいお仕事をしている人がいるんだ!」と数年前にパレスチナ刺繍帯を知って驚きまして、昨年やっと一本、グリーンが美しいシリア木綿布に「糸杉と山」という文様を刺繍された名古屋帯をお迎えしたのでした。
刺繍をしてくれたのは、エルサレムの北、ラムラの難民キャンプで暮らす方だそうです。仕立ては日本の帯職人さんが手がけてくださいました。
ものすごーく締めやすくて、いろいろな着物に合う帯!!^^ 普段は紬や小紋などに合わせて、あちらこちらで締めています♪
この帯との出会いを書いた記事はこちら
そして数週間前に、今回のリビア大使館でのチャリティイベントに、ファッションショーに出ませんか?とお誘いいただいたのでした。
今回のショーでは、現在の駐日パレスチナ大使のお母様が集められた、100年前の貴重なパレスチナの伝統衣装が紹介されました。

パレスチナの中の地域によって、異なるドレスや柄があるのだそうです。トルソーではなく、人が着ると全く違いますね。衣装そのものも、眠りから覚めて命が動き出すような感じ。
そして、パレスチナの難民キャンプで刺繍された帯を、パレスチナの皆さんと日本のパレスチナ刺繍帯のお客さんたちが着用し、皆でショーを歩きました。

30名のモデルさん全員で並ぶと圧巻でした!!
集合写真をいただいたらまたご紹介させてください^^
出席されたアグネス・チャンさんも、ご自身のアメブロで記事を書いてくださっていました。>> https://ameblo.jp/agneschan/entry-12905936688.html
とても貴重な機会でした。
着物を通じて、こうした機会に恵まれて… 本当にありがたいと思いました。
前日と当日も事前リハーサルがあり、その合間にモデル出演された皆さんとお話しできて、それも学び多き時間でした。パレスチナの方と直接お話ししたのは初めてでしたもの。
パレスチナ大使夫人が最後のスピーチで、ここに皆さんと集えることが希望ですとおっしゃったのが忘れられません。
パレスチナ問題は知れば知るほど複雑で、単純に誰かが悪いと言えない問題です。
ですが、民間人の生命を奪う爆撃はおかしい、ジェノサイドはNOだ、と言える人間でいたいと今回強く思いました。
まだ言葉にならないこともいっぱいあるのですが、今日はこの辺で。
パレスチナ刺繍帯のイベントや催事は、こちらのfacebookページからチェックできます^^ ぜひ、ご覧になってみてください。
パレスチナ刺繍帯プロジェクトby ICEJ
https://www.facebook.com/icej.tatreez
和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜主宰
上杉惠理子