季節・シーン別の着こなしポイント

春といえば花柄!花柄にこそセンスが光る

 

こんにちは!

上杉 惠理子です。

 

 

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フツーな毎日を特別に変える
春きもの”で
きもの美人デビュー!

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として、昨日から
春きもののポイントを
お届けしています!

 

 

今日は柄のお話。

 

春といえばの季節。

梅、桜、
水仙、モクレン、牡丹…

きものは
布を直線に切って
直線で縫った衣装なので
絵画のように絵を描きやすい衣装。

 

特に季節の花は
きもののメインのモチーフ。
昔から美しい花々を
きものに描いてきました。

 

春の花の季節だからこそ
花柄のきもので
ぜひ意識したいことがあります。

 

 

それは
季節を先取りして
きものを着こなす

ということ。

 

 

きものでは
季節ものは「先取り」が粋

季節の真っ盛りや
過ぎたものを着るのは野暮

という考えがあります。

 

 

特に、桜や梅など花柄
枝や幹とともに
写実的に描かれたもの
実際に花が咲く前にだけ
「先取り」して着て楽しむのがおしゃれ
という「ルール」があります。

 

 

一方で、花びらだけを
文様化された柄は
国の花でもあり
お祝いになるので
通年着て大丈夫な柄です。

 

例えば
私のこちらの帯は
桜の枝葉とともに描かれているものなので
毎年3月、東京の桜が咲く前に締めています。

 IMG_9361.jpg

 

 

こちらは
桜の花文様が入っている袋帯。
これは枝葉がないので
お祝いのシーンに季節問わず
締めています。

 IMG_0039.JPG

 

なぜ、こんな「ルール」
があるかというと

 

きものがどんなに素敵でも
所詮は人がつくったもの

一番美しいのは、
本物の花そのものだから

 

という、
自然に対する敬意と、
人として謙虚な気持ちが
背景にあるからです。

 

 

そう考えると
きものの難しいルールというより
素敵な感性だと思いませんか??

 

 

 

私が大好きな小説のひとつ
小川糸さんの『喋々喃々』
という小説があります。

谷中にアンティークきもの屋を
営む女性を主人公とした小説。

 

3月に梅の花を見にいく日の
コーディネートを
このように語るシーンがあります。

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あれこれ迷った末に、結局今日は、
落ち着いたグレーのお召しに、
いろいろな花の模様が刺繍された
黒い綾子の帯を選ぶ。

梅が焼きもちを焼くといけないので、
半襟にだけさりげなく
桜を取り入れてみる。

きものの世界では
何でも季節を先取りするから、
例えば、梅の季節に梅の柄を
合わせるのは無粋とされる。

本物の梅の美しさには、
どう背伸びしたって敵わない。

(『喋々喃々』小川糸著)
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ただ、きものを着るのではなく
身近な自然のリズムに合わせて
自分できものに季節を表現する。

 

そんな感性を持って
きものを選ぶことができたら
春がますます待ち遠しくなります^^ 

 

 

 


きものは日本女性の最強の勝負服!

和装イメージコンサルタント
上杉 惠理子