こんにちは。
上杉惠理子です。
これを書いているのは2023年5月5日の子どもの日。とってもいいお天気で…もう初夏の陽気!!
着物でお出かけしたら、到着してしばらくオデコと首筋の汗をふきふきしてました笑 (;´Д`A
着物を着ていて、暑くないの?
とよく聞かれます。
真夏になると、正直そんなに暑くありません。真夏の着物は、ちゃんと涼しいようにできているから。
麻100%の着物はびっくりするくらい軽いし、首も腕も空いてるから風が通っていきます。
帯も軽いのが多いですし^^
ご近所まわりや気心知れた人との食事なら、もう浴衣一枚で行っちゃう。
7月と8月の盛夏は、夏こそ着物だなぁと毎年思います。
悩ましいのは夏の前。
特に、すっかり暑くなったこの5月の時期でした。
『教養としての着物』でも書きましたが、着物の衣更で大事だった日は6月1日と10月1日でした。
6月1日から、裏地をつけた袷(あわせ)の着物から、裏地を外した単(ひとえ)の着物に替える。そこから盛夏に向かってグラデーションのように、小さい小物から夏物に変えていく。
そして9月1日から1ヶ月かけて、だんだんと夏物を減らしていきます。
私は着物のこの衣更の考え方、とても好きです^^ 繊細に変えていくところが素敵だなぁと思う。
ですがっ!!!
この昔ながらの衣更ルールを採用すると… 5月は裏地のある袷の着物ということになります。
現代の東京では…暑すぎます。。。死んじゃう。。
では、私はこの時期どうしているのか、この記事でお伝えします^^
単の着物が大活躍♪
私はまず、普段使いをする着物はもう裏地をつけません。
最初から、裏地なしの単で仕立てます。冬に寒いときは、インナーかコートで防寒を増やすだけ。
この日、着ていた大島紬も最初から単。
着物に裏地をつける機能的理由は、防寒と補強です。
また、デザイン面では、袖口や裾からちらりと見える裏地の八掛の色を何にするかという楽しみもあります。
八掛についてはこちらの記事をどうぞ!
ですが…普段着としてガシガシ着る紬の着物は、心地よさ重視!!
防寒は求めていないし(暑いもん笑)、紬は着物自体が丈夫なので補強のために全体に裏地は要らない。念の為、お尻まわりだけ、居敷当ての布をつけています。
大島紬以外のほっこりした厚手の紬は、裏地をつけてしまうともう暑くて、1月の真冬の時期しか着なくなってしまったほどです。私はもう、手持ちの袷の紬は、洗い張りのタイミングで単に少しずつ変えています。
袷か単かは、裏地をつけるかつけないかの違いだけ。なので、パッと遠目から見るだけではわかりません。
ひと昔前の衣更ルールでは、単を着るのは初夏の6月と初秋の9月のみ、と言われていました。今では、真夏以外、単の着物が大活躍です♪
着物の中を減らして、暑さ対策!
そして、着物の中… かなり端折ってます。
着物の中には、半衿をつけた着物と同じ形の長襦袢を着る、が一般的なのです。
ですが、私の日常着物ではバッサリと省略しています笑
今愛用しているのは、和装インナーブランドwafureの肌ジュパンです。
思いついて写真撮ったので、、シワ多くてごめんなさい苦笑
2021年秋にwafureに出会ったブログがこちら
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素肌の上に直接着ても、とっても気持ちのいい素材です^^ 袖のレースが綺麗で、ちらりと見えても下着っぽくないところも好き♪
これに、たかはしきもの工房さんの「うそつき衿」を重ねます。
たかはしきもの工房「うそつき衿」
https://www.kimonokoubou.co.jp/c/takahasiorg/kaeeri/nashism
これが私の長襦袢がわりです^^
この上に着物を着て、夏物ではない軽めの帯を締める。よく使うのは、博多献上ですね^^
色味だけは爽やかにしたくて、小物に水色を増やして…5月コーデは完成♪
単なんだ!!!
長襦袢、着ないんだ!!
衿、外せるんだ!!!
と、ときどきびっくりされますが、何も問題ないです笑
式ごとに出るなら、ちゃんとしますけど…
だって。普段着だもの。
wafureさんの肌ジュパンは、これまでの白い木綿の肌襦袢と比較したら倍以上の価格ですが、長襦袢を仕立てることと比較したらずーっとリーズナブル。
レースに細いリボンがついた繊細なデザインですが、1年半前に購入してガンガン着て洗っているのに、びくともしない笑 この丈夫さも私に合っていて、気に入っています^^
だけどそれならもう、「麻をさっさと5月から着たらいいのでは?」という考えもあります。
でもこれは私の美意識として、麻を着るのはもう少し先にとっておきたい。麻は見た目にも涼しく、周りの方に涼をを届ける着物だから^^
私はね。私はそうしたいの。
なので、着物の中をどんどん省略しています笑
TPOルールも知っておけば着崩せる
着物はルールが難しいとも言われますが、
衣更や格など、着物のTPOを知ることは、先人たちの美意識を学ぶこと。
堅苦しく自分を縛るものではなく、着物の1000年の歴史の中で、先に生きた女性たちが何を大切にしてきたかが凝縮しているものです。
それを学び理解していれば、シーンに合わせて自分で着崩すことができます。
着崩していいシーンとそうでないシーンがわかりますし、どこまで着崩していいのか、自分で決めることができるのです。
暑くなってきましたが、どうぞご自身の感覚や体調に合わせて、快適に心地よく、着物を楽しんでくださいね^^
和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜主宰
上杉惠理子
和創塾は、TPOや歴史、作り手の技術まで、着こなしの知識経験を学ぶことができます。ただ着物を着るだけでない、一歩先の着こなしをしたい方に、おすすめの4ヶ月講座です。