きものを着こなす

白で礼を尽くす/英国 国王戴冠式での紀子さまのお着物に感じたこと

こんにちは。上杉惠理子です。

2023年5月6日に行われた、英国 チャールズ国王の戴冠式。こちらに秋篠宮ご夫妻が参列され、紀子様がお着物をお召しになられましたね!^^ 

訪問着に、七宝柄の袋帯。

色留袖ではなく、訪問着でしたね!

留袖も訪問着も裾周りは、一枚絵がつながっている絵羽模様です。

留袖か訪問着何で見分けるかというと、上半身に柄があるかないか。

左胸や袖、背中など、帯から上に柄があるということは、訪問着。上半身に柄がなく、家紋が入っていれば留袖だなとわかります。

紀子様が今回お召しになったお着物は、左胸に衿からつながるように柄が入っていますし、お袖にも柄が見えるので訪問着だなとわかります。

格としては訪問着より留袖が格上ですが、柄の多い訪問着は華やかな印象になりますね♪ ^^

私が注目したのは、小物に白を使ったコーディネートだったこと。

白の伊達衿を重ね、白い帯揚げをスッと一本線に見せて。
パールが載った帯留を、白地の帯締めに。
もちろん半衿も足袋も白。

教養としての着物』の第4章でも書きましたが、着物で白は特別な色です。

白という漢字は祭壇に祀った頭蓋骨から成り立ったと言われています。実は自然界では真っ白なものの存在は少なく、ひとの骨から白を発見したとか。

そこから白は神に捧げる浄らかな色となり、明白、潔白、清潔などの意味を持ちます。

なので、着物では「白で礼を尽くす」と言われ、正式な場では白を大切にします。

金銀よりも、白なのですよね^^

伊達衿はいろいろな色があって、訪問着にはネックレスのように何色の伊達衿を合わせるか楽しめるポイントです。

その中で白い伊達衿は、留袖に使われることがほとんど。最も格の高い黒留袖や黒紋付では必ず、白の伊達衿をします。

外国でのお祝いのお式に合わせて、訪問着やパールの帯留で華やかさを演出しながら、伊達衿や帯揚げなど小物で白を使い、着物の格上げをされた素敵なコーディネートだなぁと感じました。

何よりも、ひとめで日本とわかる着物でご出席されたこと、とても嬉しいことでした。日本の皇族の正装は、明治以降、洋装が続きましたが、もっと着物をお召しになるシーンがこれから増えていくかもしれません。

みなさまはどう感じられました?

他の国々からのご参列の皆様の装いも素敵でした!まとまっていたサイトを貼っておきますね^^

The Best Fashion from Foreign Royals Attending King Charles’s Coronation
https://www.harpersbazaar.com/celebrity/latest/g43812304/foreign-royal-fashion-king-charles-coronation-2023/

訪問着に白の伊達衿… 良いなぁ〜 
私も白の伊達衿を用意しておこうかな^^ 

和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜主宰
上杉惠理子