きものができるまで

30分で3mm!?大島紬の機織りを体験してみた

こんにちは!上杉惠理子です。

大島紬をご存知でしょうか。

大島紬は、鹿児島県の奄美大島を中心としたエリアが産地で、緻密な柄を織り出す織物です。

大島紬は数十年前、一時期本当に人気で生産量も多く、たくさんの織り手さんがいました。きものが入ったタンスを開けると、大島紬が一枚、二枚必ず出てきます。

これをお読みのあなたも、お持ちかもしれません^^

きもの専門店銀座もとじさんで、この大島紬の機織りを体験させていただきました!

銀座のきもの屋さんで織られた大島紬

こちらでは大島紬の高機(たかばた)があり、織り手の方がこの銀座で数ヶ月かけて織っています。

2019年に数ヶ月かけて織っていらっしゃったのが、紫の糸で細かい絣が散りばめられた蚊絣の白大島。

▼拡大すると…▼

無地のように見えて、細かい柄がずっと続いています。

この白大島の糸は世界最高級のプラチナボーイ、染めは泥大島のような柔らかさを白でも生み出した益田織物さんの白恵泥。

▼プラチナボーイについてはこちらの記事をどうぞ!

業界の常識を変え続けるきもの専門店/銀座もとじ 店主 泉二弘明様インタビュー こんにちは!上杉 惠理子です。 私の初めての著書『弱者でも勝てるモノの売り方 お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門』 ...

商品となる反物分が織り上がり、まだ糸が残っていたのでその残りの糸を使って お客様に機織り体験してもらおう!と、もとじさんが企画してくださいました。

この企画を知った私は「やるやる♪ やりたーい!!(*^◯^*)」と予約。30分、体験させていただきました。

やってみてわかる手織りの仕事

るんるん♪楽しみに伺ったわけなのですが、体験してみた感想を一言で言うと…

ものすごーーーく!!
たいへんだったーーー!!!

大島紬を織るといっても、やってみると大きく3つの仕事があります。順番にご紹介しますね^^

杼(ひ)をタテ糸の間に投げてヨコ糸を通し、絣を合わせながら織る

横糸通して足を踏み替えてトン、
横糸通して足を踏み替えてトン
…が基本の織り方。

大島紬は、先に糸に柄をつけてから布にする<織り>のきもの。糸に先につけた柄を「絣(かすり)」といい、織りながら柄を合わせることを「絣合わせ」といいます。

しかも大島紬はこの絣が細かく、糸を通すたびに、

糸一本ずつ、絣を合わせていきます。

右手人差し指で押さえたところから柄が入った糸を左手で引きながら、柄を合わせていきます。

しかも白地の白大島は、思い切り光を反射するため眼に負担が大きい。

織り手さんによっては、濃い色の大島紬はできても白大島を織ることができない方もいるそうです。

乱視もちの私はもう最初から目がチカチカ…!!!笑

縦の絣糸をつくろって調節する

この絣はきちんと合うと、小さな小さな十字になります。

といっても細かいですから織っていると、Tとか逆Tになったりするんですね。

しばらく織ったら絣のT を +にするために、目打ちを使って、タテ糸一本ずつ引き上げるという「つくろう」仕事をします。

これがね、、もう大変!!狙っていた糸を一本ずつ拾えない!!

しかも、前かがみになるので首が痛い…!!! 

織り手さんの仕事は「根気があれば誰でもできる」と伺ったことがあり、慣れればできるようになるそうなのですが…いやぁもう、、

たいへーーーん!!!


たいへーーーん!!…と叫ぶわたし。笑

縦の絣糸を引っ張り直す

縦糸をちょいちょいと引っ張るので、縦糸の引きの強さがそれぞれ変わっていきます。

なので、絣の入った縦糸を、高機から外してもう一回引っ張ってかけ直すという仕事をします。

つげ櫛で糸を梳かしてからしっかり引っ張って機にかけ直します。

私もやらせていただきましたが…ゆるっ!!
結構、力がいる仕事なのですね。
(織り手さんにやり直ししていただきました笑)

この3つの仕事を繰り返しながら、12〜13mの反物を織っていくわけです。

集中していたのか、気がついたら体験の30分があっという間に過ぎていてびっくり!!

この30分で…

3mmしか進みませんでした。。!!笑

私は以前からこちらの大島紬店さんに、銀座に来るたびに寄らせていただいて織り手の清田さんのお仕事を拝見しながらおしゃべりしていました。ですが見ているのと、実際にやってみるのでは本当に大違いでした。

少しでも体験するからわかること

改めて…大島紬を織ることがすごい仕事なのだと体感しました。

こうやって織っているんだ…

自分で手を動かしてみるからこそ、わかることがある。

私も祖母の形見の大島紬を持っていて、秋から春にかけて よく着ているのですがそれもものすごく柄が細かいのです。

祖母の大島紬もこうやって織ってくれた方がいるんだなと思うと、ますます愛おしい一枚になります。

つくってくださって、ありがとう

私の元にきてくれて、ありがとう。

きものができるまでを知るからこそ、手元のきものがますます特別になる。

そんな愛を持って、きものを楽しみ愛する人が増えたら、とても素敵な世界になるんじゃないかと思っています。

和創塾
〜きもので魅せる もうひとりの自分〜
上杉 惠理子

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個別セッションで着こなし提案をさせていただきます(^_-)

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