こんにちは。上杉惠理子です
都内の木々の葉も色づき始めた2018年11月8日
観てきましたーー!!
映画『日日是好日』
森下典子さんのエッセイの映画化。
やりたいことが見つからない、人生の悩みを抱える20歳の大学生だった黒木華さん演じる典子が、
樹木希林さんが演じる武田先生のもとに毎週土曜日、お茶のお稽古に通い続けます。
この記事では、映画を見て私が気づき感じたことをシェアさせていただきます^^
茶道、やってみたくなりました!
私、24歳から、きものを着てきたのですが、他の和の習い事は全くやってこなかったのです。
よくも悪くも、きものを着ていたのはお稽古のためではなくて、本当に、フツーに着てきたことが私の和装イメージコンサルタントの仕事につながっています。
とはいえ、やっぱり和の「道」から学びたいと思いまして、2018年春からついに華道を始めました。
月一回の、のーんびりペースですけど!とても楽しく続けています^^
茶道も、うーん、、そろそろやろうかなぁ、と思っていたのですがなんか踏み出せずにきたんですね。
茶道って気になるけど、実際のお稽古ってどんなことするの?と思っていた私のような人にとって、映画『日日是好日』は最高の「入門書」になる作品です^^
で。観て思ったことは…
茶道って難しぃーーーー!
映画の最初のお稽古で「袱紗(ふくさ)さばき」という、袱紗という布のたたみ方・使い方を習うんですけど、これが複雑で、長くて笑
「いやいやいやいや武田先生、ついていけませぬ」と、劇場内で皆で笑っちゃいましたもの^^
茶道に比べたら、きものを着るって本当にカンタン、茶道の準備段階だわと思っちゃいました!
そして同時に、茶道の楽しさも十二分に伝えてくれる映画でもありました。
長く続けていくからこそ、自分の感性が研ぎ澄まされて感じられる世界があるのですね。
「うわぁ素敵!私も感じてみたい!」と純粋に思いました。
また、希林さん演じる武田先生が言ってくださるんです。
「おいしいお茶を飲みに来ればいいのよ〜」
そうか、それでいいんですね^^
続けると覚悟を決めて、ちゃんと茶道やりたいなと思いました。
武田先生のような、良き先生とのご縁があるといいなぁ〜
先人の知恵に学ぶこと
四季を感じること
自然を感じること
日々大切に生きること
大切な人を大切にすること
自分を大切にすること
これってどういうこと?に、茶道を通じて考えさせてくれた映画でした。
理想の着姿ってなんだろう?
そしてこの映画、もちろん、きものがたくさん出てきます。
(画像はお借りしております)
印象的だったのが、樹木希林さん演じる武田先生の きもの姿でした。
ひとことで言うと、
とってもゆるみがある着方をされています。
上半身は、ちょっと背中を丸くして座ってもゆとりがある
帯板を入れず、正面の帯の柄のところがたわんでいる
半衿もゆるみがある
帯の上、上前身頃にもゆるみがある
このゆるみと、ゆるみによるシワは、通常、着付け教室では全部補正などで取るように指導されますし、私もそうお伝えします。
それがまず基本。
だけどその先があるんですね。
このゆるみのある着方のおかげで、細かいところまできちんと教えてくださる先生としての緊張感をもたせながら、
懐深く生徒さんを受け止めるしなやかな印象になっている。
着崩れたんじゃなくて、ゆるく着る。そこには、無意識な着方ではなくて意識がある。
希林さんは以前から、きものはご自身で自分らしい着方をされていました。
映画『海よりも深く』の作品でカンヌ映画祭に出られたとき、振袖に革靴履いてレッドカーペットを歩いて振袖の袖を結んでいましたね笑
今回も希林さんがご自身で着付けをされたのではないかと思います。
きものって、基本のカタチはみんな同じ。
だけど、後ろの衿の抜け加減、半衿の出し加減、帯揚げの出し加減、帯締めの数ミリの位置…
ちょっとした着方の違いで印象が本当に変わります。
希林さんの、武田先生の着姿からきものの着方って奥深いなぁと改めて思ったのでした。
年齢よっても、シーンによっても、着方のアレンジがあります。
私も70代になったときには、武田先生を演じた希林さんのような着方をしてゆるゆる過ごしていたいなぁと思います。
樹木希林さんへ
この映画『日日是好日』の公開日は、2018年10月13日。
2018年9月15日に亡くなった樹木希林さんの遺作の一つとなりました。(本当の遺作は『エリカ38』とのこと)
樹木希林という女優さんは私にとって子どもの頃から、このイメージのままずっと老け役で、おもしろい女性といった印象でした。
亡くなって、私にも、みなさんにとっても、とても大きな存在だったことに気づかされました。
希林さんは「全身がん」という病を抱えながら、この映画のためにほぼゼロから茶道を習い、きもので出演されました。
そんなお話を聞いて
私、自分がどんなになっても、自分の足で立てる限りきものを着続けようと思いました。
膝が痛いとか、疲れるとか、それくらいの理由では、私はきものを着ることをあきらめない。
同じように、学び続けること、成長し続けること、貢献できる自分であることをあきらめない。
そうありたい、と思いました。
がんばる、というより、あきらめない、が無理しすぎなくてぴったりだと感じています。
病を理由にせず、女優として生き抜いた樹木希林さんは私にとって間違いなく、理想の きもの美人のお一人です。
『日日是好日』について希林さんのインタビュー動画を最後にシェアさせていただきますね。
https://www.cinra.net/news/20181010-nichinichikorekoujitsu
この映画をつくってくださって本当にありがとうございます、と伝えたいです。
和創塾
〜きもので魅せる もうひとりの自分〜
主宰 上杉惠理子
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