こんにちは!上杉 恵理子です。

今日はメルマガ読者さんから、タンスに眠るきもののことでご相談をいただきました。

それは…◯年前に着た

振袖

あ〜うちにもあります!と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか^^

ご相談)もう着れない振袖は、どうしたらいい??

まずはご相談のメールを
ご紹介しますね!

Yさま

いつもメルマガを配信いただき有難うございます。
初めてお便りさせて頂きます、Yと申します。

ずっと心の底では気になっていたことなのですが、このメルマガを読んで、思い切って聞いてみようと思いました。

で、私の心残りというのは、祖母が買ってくれた振袖です。

孫の中で女の子は私だけ、ということもあり、成人式用に黒地に肩から熨斗目模様が流れるとても美しい振袖をあつらえて頂きました。

ただ、若かったのもあって、成人式・お正月位にしか着なかったのですよね(>_<)

気が付けばもう振袖を着れる年齢でもなくなり。

私には子供が居ないので、娘に引き継ぐこともできません。

「袖を切って留め袖にできないのか?」
なんてとんでもないことを母に聞いてみたり(笑)

洋服にリフォームもちょっと考えられないですし。

数年前に亡くなった祖母の想いがこもったこの振袖を、箪笥の中で眠らせるしかないのが、本当に申し訳なくて。

メルマガを拝見していて、

「もう着られない振袖はどうしたらいいの~!?」

という想いがすごく強くなってしまって、思い切ってメールさせて頂きました。

暑い日が続きますので、どうぞお身体ご自愛くださいませ。
これからも、メルマガを楽しみにしています♪

Yさん、ご相談のメールをありがとうございます!!

お祖母様がご用意くださったという思い出の振袖を、大切に想う気持ちが強く伝わってきました。

愛に溢れたお話をシェアいただき、ありがとうございます^^

振袖をタンスに眠らせていて「これからどうしよう」と悩んでいる方は少なくありません。

この記事をお読みのあなたも

振袖あるある!私も私も!

と思っているかもしれません。

じっくりお答えさせていただきますね!

振袖の袖を切ると…何になる?きものの基本の種類

まず、前提として、きものの種類についてカンタンにお話します。

□ 振袖(ふりそで)

袖が裾ほどに長い振袖は、未婚女性の礼装です。

だから、人生の節目である成人式に着るわけです。

成人式のほか、学校の卒業式やお友達の結婚式に参列するときに着ることがほとんど。

自分の結婚式のお色直しにも着ることができます。

□ 留袖(とめそで)

黒地の黒留袖(くろとめそで)は、既婚女性の第一礼装。結婚式でお母さんが着る衣装ですね。

黒ではない色の留袖は色留袖(いろとめそで)といい、既婚女性がご親戚の結婚式に出たり、お祝いの席にふさわしい衣装です。未婚、既婚問わず着られる礼装です。

留袖の特徴はそでを含め、上半身に柄がなくすそ周りにだけ絵が繋がって入っていること。

すそ周りの一枚絵のように繋がった模様を絵羽(えば)模様と言います。

留袖の語源は、<結婚後に振袖の袖を留めて(切って)着たから留袖という>という説があります。

□ 訪問着(ほうもんぎ

留袖の次に、格のあるきものです。

すそ周りに柄が繋がっている絵羽模様が入っていて、訪問着は上半身 、袖と左胸にも柄が入っています。

友人の結婚式やパーティ、フォーマルからセミフォーマルまで華やかな場に着られるきものです。

□小紋(こもん)

きもの全体に染めの柄が入ったきものです。柄は一枚絵のように繋がってはいません。

訪問着より格は下になり、柄によって、合わせる帯によって、カジュアルからちょっとしたパーティまで
着られるきものです。

一気に話してきてしまいましたがポイントは、

Yさんの振袖は、肩から熨斗目模様が入っているということなので

もし袖を切った場合も、留袖扱いにはならず、訪問着になると思います。

袖を切るべきか?切らずにおくか?決めるのはあなた

眠る振袖を今後具体的にどうするか、というお話をしたいと思います。

「せっかく作ってもらったのにタンスに眠らせていて申し訳ない」

というモヤモヤした気持ちがスッキリとして

どうしたらおばあさまやご家族への感謝でいっぱいになるのでしょうか。

…私もいろいろ考えたのですが

ご相談者さんYさんがどうしたいか

だと思いました。

具体的に2つ、お話しますね!

方法1:振袖として大事に残す、と決める

袖の柄もとても美しく切ることはできない!!

この振袖は振袖のままでいてほしい!!

と思うのであれば

自分で着なくても、年に1回でも広げて干しながら飾ってみることでも、思い出の振袖とともに時間を過ごすことができます。

もし、ご親戚の姪御さん、お友達の娘さん、誰かが成人式で着たい、貸して欲しいと言ってくれたらラッキー。

また、最近はオリエンタル和装といって、振袖と帯を切らずにドレスのように着付けてくれる方法もあります。
https://matome.naver.jp/odai/2141525636174324601

オリエンタル和装はウェディング以外でも、お願いできるそうなので節目のときに着付けていただいて写真を撮るだけでも素敵だと思いますよ^^

方法2:袖を短くし訪問着として着る、と決める

袖を短くしても素敵なきものだと思えて、着ている自分を想像してワクワクできますか?

ワクワクするなら思い出の振袖だからこそ、

この場合、切る前にどれくらい袖の柄を残せるのか、仕立て屋さんとしっかり相談してから
お願いしてください。

そして、お母様にも「私、これからも着たいから袖を短くするね!」とちゃんと話し
賛成してもらってください。その方があとも気持ちが楽だと思います。

そして、着ると決める。

年に1回でも、必ず着る機会を自分で作る。

ちょっと素敵なレストランを予約してみるとか

ちょっと豪華な雰囲気の美術館に行ってみるとか

オペラやコンサートを聴きに行くとか

ご自身がそのきものに合うと思われる場所に、着て、行くと決める。

思い出のきものと過ごす時間はあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。

ですが、着る機会が来ることを待っていたら、おそらくほとんどありません。

だからこそ、自分で決める、ということが大事です。

また、このまま決断をしない、悩み続けるということもそれも選択肢の一つです。そのときは「決められない」ではなく「今は決めない、と決めたんだ」と意識することをおすすめします。

 「正解」は、あなたがどうしたいか

もし私が振袖を持っていて譲る相手がいなかったら…私なら袖を切って、訪問着にします。そしてたくさん着ます。

とはいえ、私自身は成人式の振袖はレンタルでした。母のきものがタンス1個分ありますが、母自身が成人式に出なかったので振袖は持っていませんでした。

私も当時、作って欲しい、とも思わなかったので迷わずレンタルでした。

そのため、思い出の振袖をどうするか、という悩みは私自身で経験がありません。

その上での意見なので参考にしていただけたら嬉しいです。

私の生徒さんもお一人ずっと眠らせていた振袖を
昨年、訪問着に袖を短くし、新年のランチ会に着てきてくれました^^

思い出の振袖を生まれ変わらせて、素敵に着こなしていましたよ♪

問題は

袖を切るか、切らないか

ではないのだと思います。

その決断です。

タンスに眠る思い出の振袖、そして きものたち。あなただったらどう決断しますか?

ご質問をくださったYさんの決断!

ご相談くださったYさんから、メッセージをいただきました。

Yさま

振袖のご相談をさせて頂きましたYです。
メルマガに取り上げて頂き心より感謝いたします。

しかもこんなにすぐに!
そして、わかり易い着物の説明まで!
一メルマガ読者の声にこんなに丁寧にお応えして頂けるなんて、有難い限りです♪

祖母の想いにあらためて感謝し、祖母のことをたくさん思い出したり、

今は着れなくても、実家に行った時にはこの振袖をたまには出して、母と語り合おうと思います。

振袖に「よしよし」ってしてあげたいと思います。

何もできなくても、この『想い』はきっと届くと想うので☆彡

そして、私の『今の気持ち』は決まっています。

今回のやり取りがあったお蔭で、それを【自覚】できるようになりました。

今はそう決めていますが、でも今後、今回のお話をしっかりと参考にして、
祖母の想い・母の想い・私の想いに寄り添い納得できる道を拓いていきたいと思います。

お時間と手間を割いて丁寧にご回答くださり心より感謝しています(*^▽^*)
本当に有難うございました!

こちらこそ素敵なメッセージをありがとうございました^^

タンスに眠る振袖は兼ねてからお悩みの方が多い、とは感じていたのでYさんのご質問メールを機にじっくりと書かせていただきました。

眠らせて申し訳ないなぁと負担に感じさせたかった訳ではないですよね。

大事な大事な娘さん・お孫さんに振袖を選び用意する時間は大変だったかもしれませんが、きっと最高の喜びでもあったと想像します。

読者の皆様の振袖ストーリー

この記事について、他の読者さんからもご感想をいただきました。

振袖ストーリー、それぞれですね〜!ご紹介します!

K.Fさま

私は成人式に着た振袖はそのまま残してあります。

もう一枚無地に近い振袖があり、それは袖を切って訪問着として大活躍。

もう一枚、売れないからと譲り受けた振袖は専門学校の謝恩会に着ました。

そして、母の振袖は私の結婚式の為に母が本振袖に仕立て直してお引きずりで着ました。

この記事をよんで私の振袖の思い出を思い出しました。
ありがとうございます~!

お母様が和裁士さんでいらっしゃるKさん。4枚も振袖がお手元にあるとはさすが…!!

思い出すことも振袖とともに時間を過ごす方法の一つだと思います^^

まゆみさま

母は「早よ袖切り!」と言い、

私は「未婚やからいつまででもこのまま着る!」と平行線でしたので、

これを機に、一生袖を振り乱し着倒す。という結論に達しました。

ありがとうございます。

樹木希林の年末のフジカラーのCMのように。
正月の初笑いの番組のハイヒール、やすよともこのように。

私と同年代で、大阪ご出身のまゆみさん。

30代後半になっても未婚だからそのまま着る!と素晴らしい決断!!笑

まゆみさんらしくてとても素敵です^^ 目指せ、樹木希林!!

りえさん

ちょうど実家で、そんな話をしてました!

「成人式に作った着物、どーする」って。

当時、高価なものだったらしく、どうしたものやら。

マシュー(6歳の息子さん)の嫁に?
あ、嫁じゃだめなんだ!嫁ぐ前でないとだめなんだよねー?

そう思うと昔の人は、節目節目に
「きちんとしよう」
「礼を尽くそう」
としていたような気がします。

今の時代のような、
便利がいい
簡単がいい
安ければいい
という価値観では、
絶対になかったですよね。

食べ物は腐るから捨てるけど、きものはおいそれとは捨てられない。

だからこそ大事に着る、ものを大切にすることを学ぶ、それは自分を大事にすることにも繋がる、

奥が深いです!

いつも楽しいメルマガをありがとうございます。

考えてみれば振袖といえども1枚の「服」

1枚の「服」にここまで真剣に向き合うのは、振袖だからこそ。

だからこそ私たちはたくさんのことを振袖から学ぶのですね。

みなさんのそれぞれの振袖ストーリーを聞かせていただいてとても嬉しいです!

ありがとうございました!!

和装イメージコンサルタント
上杉 惠理子

<参考>
日本文化いろは事典
http://iroha-japan.net/iroha/B01_clothes/02_tomesode.html

きもの やまなか
http://yamanaka-kimono.com/6blog/100125/

株式会社 結城屋 ゆうきくんの質問箱
http://www.ykya.co.jp/yokuarusitumon/401-410/408/ys.htm